SWORD WORLD RPG REPLAY
〜〜Half Moon〜〜

prologue

一度でいいから蛍を見てみたい(笑

私の名はロルフ。
ファンドリアで生まれ、幼き頃より魔術師の父より古代語を学んでいた。
しかし、故あってファンドリアを出ることになり、今は西方の小諸国を旅している。

とある日、一軒の酒場に足を踏み入れた。後に知ったのだが、あの店は酒場ではなく冒険者の店と言うそうだ。
ここから始まる出来事は、書物に埋もれていた私にとって衝撃的なことばかりであり、今後の人生に大きな影響を与えることになった。

冒険者の店

店に入ってすぐのカウンターに髪の長い女性が座っていた。彼女はその腰まで伸びた美しい金髪から、二つの尖った耳を覗かせている。
エルフだ。
人の立ち入らぬ深き森に住まう、高貴で神秘的な妖精族。
初めて見た・・・。
「と、隣に座っても宜しいですか?」
普段であれば見知らぬ女性に話し掛けることなど出来ない私だが、好奇心には逆らえない。
「あ、あ、突然ですみません・・・。」
情無い話だが、女性と話したのは数ヶ月ぶりだ。女性は苦手・・・。自分でも緊張で赤面しているのが分かる。
「隣り?ええ、どうぞ。」
そう言って、森の妖精は椅子を引いてくれた。
「あっ、ありがとう・・・。」
「どうかしたの?顔が赤いようだけど?」
「い、いや、何でもありません。」
彼女は真っ直ぐ私の顔を見つめ話し掛けてくる。つい、目を逸らしてしまう。
その目を逸らした先に奇妙な格好をした人間の女性がいる。頑丈そうな皮鎧を身に付け、腰には剣を帯びている。女だてらに剣を扱えるのだろうか?
気付けばその女剣士もこちらをじっと見ていた。そして、つかつかとこちらに向かって歩いてくる。
「ねぇ、あたしも混ぜてもらっていいかしら?」
言うや否や、私の隣りへ腰掛ける。
「一度エルフと話してみたいと思っていたのよ。」

私は森の妖精と女剣士に挟まれ、緊張の度合いは最高潮であったが、何とか互いに自己紹介を始めた。
エルフの名はセレスティア。人間に対し強い興味を持ち森を出てきたらしい。エルフである彼女はいつか見た書物にあった通り、精霊を操ることができるという。
女剣士はメルと名乗った。盗賊ギルドに所属する冒険者だと言う。なるほど、それならその物騒な格好も分かる。ついこの間も1つ仕事を成功させたと自慢気に言っていた。
「私の名前はロルフ。いろいろと見識を深めるため各地を旅しております。」
「杖を持っているってことは、魔術師なの?」
メルが私の傍らに立て掛けてある杖を見ながら言う。
「その通りです。初級の魔法しか使えませんが・・・。」
「冒険者なの?」
「いえいえとんでもない!しかし・・・。」
「しかし・・・?」
私は故郷を出てより胸に秘めていた思いを口にしてみた。
「冒険者になってみたいと思っています。・・・浅薄でしょうか?」
金色の髪を揺らしセレスティアが私の顔をまじまじと見る。
「あら、寄寓ね。私も冒険者として人間社会に入り込もうと思っていたのよ。」
なんと!人間社会に出てくるだけではなく冒険者になりたいとは、このエルフは俗に言われているエルフとはとは大きく違う性質を持っているのか?
「へぇ〜。」
半ば感心したような半ばあきれたような声を出して、メルが立ち上がった。
「ねぇ、ロルフにセレスティア。冒険者の先輩である私と組んでみない?冒険の基本くらいは教えてあげるわよ。」
腕を組んで胸を反らせ、メルは楽しげに宣言する。
「えっ!?」と間抜けな声を上げる私。突然ではないか!?
「知り合ったばかりなのに、いいの?」
同じく意外そうな顔をしてセレスティアがメルに問い掛ける。

「あなた達といると面白そうだから!」

無邪気な声でメルは言ってのけた。
ははは・・・、面白い人だ。

「確かにロルフは面白そう!」

セレスティアも言ってのけた。
・・・ははは・・・。

「じゃぁ、決まりね!よろしくセレスティア、ロルフ♪」
「よろしくメル♪」
「あのぉ・・・。」
私の決断を言う機会もないまま、二人はこれから始まるであろう冒険に胸膨らませはしゃいでいる。この勢い任せが冒険者の気質というものなのだろうか?
まぁしかし、悪い申し出ではないし、ありがたく承諾しよう。・・・あまり私が承諾するしないは関係ないような雰囲気だがね・・・。
と、女性2人で盛り上がっている中で、最後にセレスティアが私へ一言。

「それにしても、こういうのって何て言うのかしらね?・・・そうそう、両手に花って言うんじゃなかったかしら。」

彼女は神秘的な微笑をたたえていた。
こうして私の冒険者生活は始まった。

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