ゴージャスなゴブリン
第五話 思ったより楽しい仕事になりそうだ
| 俺には剣を取って戦う技術はない、あるのは精霊を操る力と、親父の本を濫読して得た知識だけだ。冒険をする上で、モーズィーのように戦闘や罠の解除など、危険な仕事は出来ない。その代り、戦闘にならないように、戦闘になったとしても、有利に戦いを進められるように頭を絞ることが俺の仕事だと思っている。 女司祭に生命の精霊を操られて、どきどきしている場合ではなーい!! 「ルドールさんは、ゴブリンの棲家を突き止めたとか?どこなんです?」 「ん?それは、森を南に半日ほど行ったところにある遺跡だ。」 「遺跡?古代王国期の遺跡ですか?」 「んん、そうだ。10年位前はあんたらみたいな冒険者がよく来とったぞ。」 「どのくらいの大きさの遺跡なんですか?」 という具合に、いくつか情報を仕入れる。
「ゴブリンって、服を着る習慣なんてあるの?」 モーズィーがまた体当たりな質問をしてくる。しかし、まあ、無知から出た質問だが、的を得た質問だ。何故服を着ている?人間を襲って奪ったのか? 「装飾品も身に着けていたんでしょう?この村で盗まれたものではないんだよね?どこで手に入れたんだろう?」 「村で被害にあったのは、ティットさんの羊と、森に一番近いところにある畑から、作物が盗まれただけです。家の中に押し入られたりはしておりません。」 村長が答えてくれた。この村で手に入れたわけではないか。この村に来る途中で奪ってきたのか? 「・・・そうだ。こんなもの牧場で見つけたんですけど・・・。」 ふと思い出したように、ティットがポケットから銀色の指輪を取り出す。 「ゴブリンが羊を持っていった、次の朝見つけたんです。・・・羊の代金として、ゴブリンが置いていったのかなと思って、へへへ・・・。」 「見せて頂けますか?」 俺は指輪を受け取ると、モーズィーに放った。金目の物の鑑定ならモーズィーの領分だ。モーズィーは暫く指輪を眺め、俺に放り返した。 「500ガメル。カストゥール時代の物だね。」 500ガメルという価値にティットは驚いたようだ。500ガメルといえば、田舎村では半年は暮らしていける額だ。驚くのも無理はない。確かに指輪にはアンティークな感じのする彫刻がされている。それはそれとして、ゴブリンが代金などおいていく訳がない。偶然落としていったのだろう。ゴブリンが古代王国期の物を?もしかして・・・。 「ゴブリンが身に付けていた服や、装飾品。詳しくはどのような物でした?」 「私が戦ったゴブリンは、赤い色のぶかぶかの服を着ていました。金色の首輪、それに気味の悪い長い耳にはネックレスを掛けていました。」 アロワが右腕をさすりながら言う。赤い服はこの辺りでは見られない。外国から持ち込まれたか、・・・古代王国期の物だ。 「んん、俺が腕を射抜いてやったやつは、大きなゴブリンだったんだけど、そいつは何も着ていなかったけど、先がドクロの形をした棍棒を振り回していたなぁ。でも、俺の弓に恐れをなして逃げて行ったけどな。ふふ。」 ルドールが少し自慢気に笑う。その棍棒とやらも普通には見られる物ではない。・・・やはりな。 「いろいろ、お話ありがとうございました。後は我々で対策を練ります。何かまたご協力願うことが思いますが、その時は宜しくお願いします。大丈夫、ゴブリンごとき簡単に追っ払って見せますよ。」 俺の一言で今回の集りは解散となった。俺たちも村長の家を出て、村の中央広場を歩いていた。思わず笑みが零れてくる。 「モーズィー、思ったより楽しい仕事になりそうだ。」 「司祭様のこと?」 「違うわい!!」 っく、妙なところに勘が働くな、こいつ・・・。それにしても古代王国期の宝か・・・。むふふ。 ゴブリンが身に着けている品々。本当に古代王国期の品なのでしょうか?そうだとしても、20匹のゴブリンをどう相手する?ベルジャンに策はあるのか? |